家具職人には資格がなくてもなれます。
しかし、国家資格や関連する資格を持っていると、就職で仕事ができる家具職人なのをアピールすることができます。
資格は技術や知識を持っていることを証明するものです。それと、過去に努力したことの証にもなります。
「資格を持っているかいないか」で給料も変わってくるかもしれません。
私は17歳の時から木工所に努め10年目に店舗製作会社の工場へ転職。今年で家具職人28年目になります。
今回は家具職人が取るべき国家資格と民間の資格、さらに海外の資格も紹介します。
この記事を読めば家具職人に役立つ7種類の資格(国家資格4種類と民間資格3種類)がわかりますので是非ご覧ください。
家具職人の就職・転職に有利な国家資格
家具職人が取っておくと就職や転職のときに有利になる国家資格は以下の4つです。
家具職人の国家資格一覧
- 家具製作技能士
- 機械木工技能士
- 木材加工用機械作業主任者
- 職業訓練指導員免許
順番に解説していきます。
家具製作技能士
家具製作技能士は家具製作に必要な技術と知識があることの証明になります。
職業能力開発協会が実施する国家資格で技能検定の一種です。
家具製作・家具機械加工作業・いす張り作業の3種類に別れていてそれぞれに等級があります。
- 家具製作(家具手加工作業)1級・2級・3級
- 家具機械加工作業 1級・2級
- いす張り作業 1級・2級
試験内容は実技試験と学科試験があります。
技能検定試験問題公開サイトで過去問題をみることができます。
受験の手続きは各都道府県の職業能力開発協会で行います。
合格すると「技能士」という称号がもらえます。
機械木工技能士
機械木工技能士は、木工機械の整備及び木工機械による木材の加工に必要な技術と知識があることの証明になります。
職業能力開発協会が実施する国家資格で技能検定の一種です。
機械木工作業と木工機械整備作業の2種類に分かれていてそれぞれに等級があります。
- 機械木工作業 1級・2級
- 木工機械整備作業 1級・2級
試験内容は実技試験と学科試験があります。
受験方法は各都道府県の職業能力開発協会で手続きができます。
合格すると「技能士」という称号が与えられます。
木材加工用機械作業主任者
木材加工用機械作業主任者は、木工所の工場長などを目指すのであれば持っておきたい資格です。
木材加工用機械を取り扱う作業を直接指揮し、工具や安全装置を点検する責任者です。
公益社団法人東京労働基準協会連合会が開催している国家資格「木材加工用機械作業主任者技能講習」を受講し、修了試験に合格することで入手できます。
受講資格は木工機械での作業経験が3年以上必要。
木工機械を複数持っている工場になると必ず一人は資格を所持しておかないといけません。
家具職人の就職・転職に有利な民間資格
家具職人の就職・転職に有利な民間資格はインテリアコーディネーター・インテリアプランナー・CAD利用技術者の3種類がおすすめです。
- インテリアコーディネーター
- インテリアプランナー
- CAD利用技術者
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターは家具デザインができる証明になります。
公益社団法人インテリア産業協会が認定している民間の資格です。
照明や家具などインテリアや内装などを選びお客さんに提案することができるようになります。
家具職人として持っていて損はない資格です。
試験は1次と2次があり、1次試験ではインテリアコーディネーターの歴史や仕事など9つの分野から出題されます。2次試験は論文とプレゼンテーションです。
課題に対するインテリアの計画を立て文章で説明することになるので文章力も必要です。
プレゼンテーションでは課題に対するインテリアの計画を図面などを使って行うことになります。
インテリアプランナー
インテリアプランナーは家具デザインだけではなく、家具を置く空間全体のデザインができる証明になります。
家具や内装のコーディネートだけではなく、建築物の企画や設計、デザイン、コスト管理など、
インテリアコーディネーターよりも幅広く活躍できる資格。
家具職人として家具の使い勝手や配色なども提案できるようになるので取っておきたい資格です。
試験は学科試験と設計製図試験があります。
どちらもインテリアや建築の知識が必要なため試験難易度は高めです。
CAD利用技術者試験 2DCAD・3DCAD
CAD利用技術者試験はどれくらいCADが扱えるのかが証明できる資格です。
「CAD利用技術者試験」は、CADに関連する知識とスキルがどれくらいあるのかを試験します。
「一般社団法人コンピュータ教育振興協会」が主催している試験です。
試験は2次元CADと3次元CADの2種類があり、2次元CADには基礎・1級と2級があり、3次元には1級と2級があります。
- 2次元CAD利用技術者試験基礎
- 2次元CAD利用技術者試験1級・2級
- 3次元CAD利用技術者試験1級・2級
家具製作の現場でもパソコンでデータを入力して動く機械が増えています。 例えば、木工用NCルーター加工機などを使用する場合に家具設計担当者からもらう図面はCADデータなので、CADを扱うスキルは必須です。
「CAD利用技術者試験」はCAD全般の知識や建築の分野などの作図能力だけではなく、パソコンを全般的に使う必要もあるので、幅広い知識を身につけるのにもおすすめです。
家具職人に関係する海外の資格
ドイツの国家資格「ゲゼレ(Geselle)」と「マイスター(Meister)」
ドイツには「ゲゼレ」と呼ばれる国家資格があります。日本の技能試験と似ています。
外国人用の資格ではないので、ドイツ語での研修になります。
木工家具の試験もあります。現地で約3〜4年間の研修を受けて終了試験に合格すると取得できます。
「ゲゼレ」取得後、さらに経験を積めば「マイスター」という資格も取得が可能になります。
興味がある方は、ゲゼレ・マイスター留学をサポートしている会社もあるので、検索してみると良いでしょう。
スウェーデンの国家資格「ゲゼル(Gesaell)」と「マイスター(Maestar)」
スウェーデンにもドイツと同じような「ゲゼル」と呼ばれる資格試験があります。 「家具指物試験」の合格を目指します。
「ゲゼル」は家具製作が一定レベル以上のできることを証明することができます。
ゲゼル資格を取る為には、専門の学校か、働きながら技術者の元で勉強および実習を3年間積む必要があります。それから、資格取得の申請をして、職人試験を受ける事ができます。
「マイスター」は独立して家具職人としての経営をしていくのに必要な知識がある職人の証明になります。
マイスター資格を取る為には、最低6年以上の経験と経営などの知識が必要になります。
家具職人は資格取得で年収が上がるのか
資格を取得することで家具職人の年収はあがると思います。
しかし、どれくらい上がるかは、会社の規模や経営状況によるところが大きいです。
小さな工房や木工所は上がりにくいです。。大きな工場の方が資格を有効に利用できるでしょう。
年収は就職する方法でかなり差が出ます。
私のように何もできない状態での就職は見習い期間もあるので特に給料が安くなります。
資格を取得して就職すると、見習い期間もなくなるし、資格がある分プラスで時給が上がることもあります。
これから就職を探す方に、いちばんおすすめの就職方法は、転職エージェントに給料交渉してもらい入社する方法です。
お金の話は自分からは言い出しにくい話ですよね。
それに、転職エージェントなどの第三者から言ってもらった方が会社側も納得しやすいと思います。
家具職人の年収については別記事に詳しくまとめていますので合わせてご覧ください。
まとめ
家具職人の国家資格・民間資格、海外の資格を紹介しました。
資格を取ることで、自分のスキルの向上もできますし、周りからの評価も変わることが多いです。
自分が目指す家具職人に必要な資格を取り年収アップを狙っていきましょう!
なお、家具職人の就職や転職については、こちらの記事が参考になると思いますので合わせてお読みください。
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