家具職人の給料は安いことが多いです。特に見習いの場合はさらに安い。
しかし、家具職人として活躍する40代では、年収400万円代後半に達します。
また、昇進して工場長などの管理職に就いた場合や、独立して自分の工房を持つなど、成功した場合などは年収は高くなります。
私は17歳から木工所に入り家具職人になりました。現在28年目です。私の経験してきた給料の上がり具合などもあわせて紹介しますので、ぜひご覧ください。
家具職人の平均年収
家具職人の年収は、会社の規模で少し変わります。
すこし古いデータですが、厚生労働省が2015年に発表した「平成27年賃金構造基本統計調査」の会社の規模別でみるとこんな感じです。
- 10~99人の会社では約300万円
- 100~999人の会社では約360万円
- 1,000人以上の会社では約430万円
平均年収は、毎月支給される給与にボーナスなどを加えた額です。
私のもらってきた給料としては、実際はもう少し安いんじゃないかなって感じです。 最初の木工所ではボーナスなんてありませんでした。
家具職人の初任給
家具職人の初任給は職人ではなく研修中もしくは見習いという扱いになることが多いです。
一般的には月給15万円~20万円くらいです。 小さい工房などの場合は10万円前後の場合もあります
家具職人の初任給が安い理由
初任給が安い理由としては、簡単にいうと「仕事ができなから」です。
見習いの間は売り物を作れるわけでもないので、給料安くてもしょうがないよねという感じで給料設定されています。
私が17歳の時の初任給は月収96,000円でした。
家具職人の女性の給料・平均年収
「平成27年賃金構造基本統計調査」には、女性の家具職人の年収も掲載されています。
事業規模が社員10人以上の会社の年収はこんな感じです。
- 平均年収 約223万円
- 月給 17万3100円
- 年間の賞与など 16万円
- 労働時間 172時間/月
- 超過労働時間 10時間/月
- 平均年齢 42.0歳
私の勤めていた木工所でも女性職人の給料は男性より安くて年収200万円くらいな感じでした。
家具職人の女性の初任給
家具職人の女性の初任給も男性と同じで、職人ではなく研修中もしくは見習いという扱いになることが多いです。
一般的には12万円~18万円くらいです。
小さい工房などの場合は10万円前後の場合もあります。
家具職人の女性の給料が低い理由
家具職人の女性の給料は男性と比べ低いことが多いです。
理由としては、家具製作は力仕事の部分も多いです。
男性と女性が同じ作業をした場合、力の弱い女性の方が作業が遅いという理由で給料も安く設定されているみたいです。
それと、家具職人のだけではないでしょうけど、職人には男がなるものという古い考えが今でも男女差を生んでいるのだと思います。
私も長く家具製作の現場にいますが、女性の家具職人はあまり見たことがありません。
しかし、女性が家具職人になれないわけではないです。女性目線の使いやすい設計やデザインの家具などで勝負できると思います。
家具本体ではありませんが、ある突板工場に工場見学に行ったことがあります。その工場では突板(つきいた)と呼ばれる高級で希少性が高い木を0.4ミリ程度に薄くスライスした材料を合板に「のり貼り」するのが主な仕事です。「のり貼り」の工程は全て女性が担当していました。家具関係の工場では女性がバリバリと仕事しているのをよく見かけます。
家具職人の給料・年収の特徴
家具職人の給料・年収は安く見られがちです。
やはり3〜5年間の見習い期間の給料の安さが原因だと思います。
見習い期間を経て職人になれば、ある程度安定した給料をもらえるようになるので、途中でやめてしまうのが一番勿体無いと思います。
ボーナスはもらえない時もある
勤め先にもよりますが、正社員の家具職人でもボーナスがもらえないことがあります。それは材料費の高騰や取引先が倒産するなどで会社が不景気になった場合です。中小規模の工房などではよくある話です。
家具職人に向いている人
家具職人に向いているのは以下の特徴を持つ人です。
- ものづくりが好きな人
- 黙々と仕事をこなせる人
- 忍耐力がある人
- 手先が器用な人
家具職人になる人には「ものづくり」が好きな人が多いです。可能であれば好きなことを仕事にしたいですよね。
家具職人は物と向き合う時間が長い職業です。なので、黙々と仕事をする人が向いています。
家具製作には忍耐力も必要です。大きな什器になると完成までに1〜2週間かかることもあります。仕上げるまでには同じ作業を繰り返す場面や難しい作業をこなさなければいけません。途中で投げ出すことなく完成させることができる人ではないと家具職人は務まりません。
それと、手先が器用な人です。カンナやノミ、カナヅチなど色々な道具を使いますし、木ネジをとめるインパクトドライバーなどの電動工具を使いこなす必要があります。
でも安心してください。最初はできなくても家具製作を続けることで慣れて行きます。私も入社してすぐの頃は延々と続く同じ作業に飽きたりもしましたが、続けていけば気にならなくなります。
家具職人には人と話すのが苦手な人も多いですね。家具製作中は人と話すことはないのでたくさんの人と話すのが苦手な人にも向いています。
家具職人として年収を上げるには独立も視野に入れる
家具職人の年収は高くありません。会社員としての最高年収は大手家具メーカーの工場長など、管理職になることでしょう。それでも年収としては500万円以上は難しいと思います。
もし、家具職人として年収1,000万円とか稼ぎたいのであれば、将来は独立して自分の家具工房を持ち、自己ブランディングしていく方法も視野に入れておきましょう。
家具職人は雇われの身で高年収を得るのは難しいです。
まとめ
家具職人の年収は安いのか?
家具職人の年収は見習いの間はすごく安いですが、右肩上がりに上がっていくことが多いのです。
なので、難しいことではありますが、途中で諦めずに立派な家具職人になることを目指すことをおすすめします。
さらに稼ぎたい場合は、独立して自分の工房をもつことも視野に入れておきましょう。
なお、家具職人に関するこのほかの情報はこちらの記事にまとめていますので合わせてお読みください。